riturituのブログ

50代の日々の記録

イヴ・サンローラン展

今日は、一日休暇を取り、国立新美術館へイヴ・サンローラン展に行ってきました。


ここ最近、シャネル展、クリスチャン・ディオール展とファッションデザイナーの展覧会が続いているような気がしますが、昔からこんなにやっていたのでしょうか?
と言っても、サンローランは15年前までは存命でいらっしゃったので
最近になってこのような回顧展が日本で開催されたとしてもおかしくはないですね💦


ディオールはサンローランの師匠(←表現が雑ですみません)ですし、シャネルもディオールと同時期だと考えると、没後そんなに経っているわけでもないか・・・


そんな前置きはいいとして中身にいきます。
まずは、ポスターにもなっていたこのワンピース。

まさに私がイメージするイヴ・サンローランです。
直線的なフォルムと幾何学的な模様、そしてはっきりとした色使い。

でも、サンローランの軌跡をたどっていくと、
本当に多くの雰囲気異なるデザインや作品があることが分かりました。


サンローランがディオールのデザイナーとして働いていた頃は、「これぞディオール」といったウエストがシェイプされスカートがふわっと広がるような、妖精のドレスと言うような、柔らかな曲線的なデザインで、
その後、世界各国、例えばロシア、中国、モロッコ、スペインなど様々な国の衣装にインスパイアされたデザインも数多くあり、

意外だったのは
ジャン・コクトーの作品の舞台衣装をデザインしていたり、
マティスやファン・ゴッホ、ピカソら多くの画家の絵を自分なりに解釈し、それをデザインに取り入れていたこと。
いつも雑誌や店舗などで見ているプレタポルテの洋服のイメージしかなかったので
こんなに多彩な服をデザインし制作していたのだなぁと驚きました。


もうひとつ、実際(近くで)見て、よかったと感じたのは
服にほどこされた刺繍やビーズ、その他ビジューの精密で美しいこと!気の遠くなるような作業が想像される・・・
サンローランのメゾンを支える各専門の職人たちの技(わざ)の結集です。
そしてデザイン画に限らず、サンローランの描いた絵がとても素敵でした。
デッサンや構成、色、だけではない訴えかけるような何か、画家でも通用するのではないかと考えながら見入ってました。(額縁に入れて部屋に飾りたい。)


そんな中、とても身近に感じた物がありました。
それは、紙で作った洋服の着せ替えです。
そう、子供の頃、私は紙で出来た着せ替え人形でどれほど遊んだことか!!
正しくそれと同じものがサンローランの手で作られていて驚きました。
まだ、デザイナーとして働く前にこのようなものを制作して、デザイン力を磨いていたのでしょうか。それとも、ただただファッションが好きで出来てしまったものなのかしら。
ちょっと嬉しくなりました。


そして、国立新美術館には何度も来ていますが、毎回撮ってしまう建物。


建築家・黒川紀章の作品です。


今週はあと1日、仕事を頑張ろう。



***
金原ひとみさんの朝日新聞への寄稿「『母』というペルソナ」を読んで、自分が抱いていた思いと100%重なってしまい、しばし呆然としながら涙が滲んで・・・。しかし、こんなモヤモヤした気持ちを文章に表現する力はさすが小説家。金原さんみたいに言葉を紡ぐことが出来たら素晴らしいだろうな。