riturituのブログ

50代の日々の記録

「むらさきのスカートの女」📚

大雪を心配していましたが、
朝はチラチラと見えるか見えないかの細かい雪が降り
その後はすぐ雨になってしまったので今夜も積もることはなさそうです。
子供たちは残念だったかな。
私も未だに雪景色が見られると、ちょっとテンションが上がってしまうのですが(笑)


先日実家へ帰ったとき、
息子が『「むらさきのスカートの女」買ったよ。』と教えてくれたので
早速借りてきて、一気に読み終えました。(今村夏子さん著)

この作品は芥川賞を取られたことで知り、題名が気になっていて
むらさきのスカートの女っていったいどんな女?知りたい!と思い、
読んでみたかったのです。


読み終わった直後の感想は、何この話、どういうこと?、不思議な話じゃないのに不思議過ぎてよくわからない、心理トリックにハマってしまって抜け出してないか、作者にしてやられたのか、誰か教えてーと言いたくなってしまいました。
初めて感じる奇妙な読後感です。


この先↓は、これから読まれる方は読まない方がいいと思います。


話は、「むらさきのスカートの女」が気になって仕方がない、そして友達になりたいと思っている「黄色いカーディガンの女」の目線で書かれています。


黄色いカーディガンの女の目を通して伝わってくるむらさきのスカートの女は
やはり何か一風変わっている・・
独特なものを持っていてミステリアス・・
常識の範疇にない人物・・
と思いながらも捉えきれず、どんな人物が気になって、何をやらかすのか気になって
読み進めていくのですが、
どうもむらさきのスカートの女は思うほど変な人ではなく、というよりもしかして普通の人なのでは、と思い始め、
普通の人で自分側と思っていた黄色いカーディガンの女の方に、不気味で狂気じみた違和感を感じ出し、始めの思い込みとは逆転しているのです。


むらさきのスカートの女は友達がいない孤独な設定なのですが
気づけば周りの誰からも認知されていて、実は話題の渦中にいる
反対に黄色いカーディガンの女は、そこに存在しているはずなのに
まるで透明人間のように他人との接点が見当たらない。
いったいあなたは何者?


黄色いカーディガンの女が、孤独なむらさきのスカートの女のために友達になってあげようとしていたと思い込んでいたのですが
実は黄色いカーディガンの女は、皆からその存在を知られているむらさきのスカートの女に嫉妬し憧れ、自分がその存在になり移り変わりたかったのだと、
最後の最後の最後で分かりました。
そしてあなたは全くおかしな人ですね、権藤チーフ。